ブルーナさんとうさこちゃんと

ちょっと気持ちが落ち着いたらブログを書こうと思っていたけど、日に日に大きな存在だったのが増してきてさみしくなってしまった。でも2月の終わりの日に少し書き留めておこうと思う。

17日の夜、ツイッターでびっくりするニュースを見た。「え?え?うそだうそだ」と言いながら検索をかけていった。何度も読んだけど本当だった。ディック・ブルーナさんが89歳で他界してしまった。

小さな頃、なんべんも読んで絵をなぞっていた「うさこちゃん」。うさこちゃんは明るい色使いで、元気な印象があるかもしれないけど、私にはいつもちょっぴりさみしそうでかしこまっているようにみえた。そのさみしい雰囲気と距離感が小さな私にはとても心地よかった。どこか遠くに暮らしている外国のお友達のようだった。これは石井桃子さんの訳が素晴らしかったのだという事は大人になってからわかるのだけれど。

うさこちゃんの絵本の中は充分に安心できる空間があって全身を委ねていても大丈夫な場所。中でも私は「うさこちゃんとうみ」が大好きだった。もちろん今でも。うみで過ごした後のなんともいえないけだるい疲労感と興奮状態がじわじわと私の中に広がっていくのを小さいながらも感じた。そしてあの美しい貝の絵。

絵本を開けばいつでもうさこちゃんには会えるけれど、やっぱりさみしい。これからも何度も何度も開くだろうブルーナさんの世界。私の絵本の原点がここにある事を、今またきちんと初心に戻って開きたいと思う。

ブルーナさん、本当に本当にありがとうございました。

イラストは2010年、ゴーゴーミッフィ展で描かせてもらったお手紙から。下の写真は2011年にユトレヒトのブルーナミュージアムに行った時のもの。